「キノコプロジェクト」というサイト内の連載コラム「Flavor of the Month」にて「AV8 Records」の事について書いています。
で、AV8が出だした頃の事を思い返していたんですがこの頃、Jeep BeatsとかTracksものと言われていたレコードでよく使われていた声ネタがA Tribe Called Questの"Jazz(We've Got)"の中でQ-Tipが発した「Boom it in your, boom it in your, boom it in your Jeep」だったなー。と。
この声ネタとRedman"Tonight's Da Night"の中でRedmanが発した「(And watch the)ba-BUMP, ba-BUMP, make ya speakers pop」のライン。
これらをうまく組み合わせてHookを作ったCommon Senseの"Soul By The Pound(Thump Mix)"がなんだかJeepっぽい雰囲気いっぱいで忘れられない一曲です。
ちなみにこの曲のHook部分のもう一曲はGrand Puba feat. Mary J. Bligeの"Check It Out"の「Type of shit that hits, when you pump it in your truck」というラインですね。
で、ちょっと当店でもこのへんのJeepものやTracksものに近いノリのインストが収録されたレコードをピックアップしてみますね。
Tuff City Squad/Beats For Jeeps 2
タイトル、ジャケットのデザインからモロですね。45 Kingお得意のFunkを大胆にサンプリングしたところにジャリっと質感のドラムを被せたループが並びます。一曲目の"Drag Race"では45 King自身による煽りのようなものが入っていたりするところもおもしろいです。
Ed O.G. & Da Bulldogs/I Got To Have It
このレコードに収録された"Bonus Beats"という2:40秒の短い溝は非常に「Tracksもの」っぽい作りです。Ed O.G.のRapから「Black people unite, and let's all get down.. I got to have it」の部分を中心にしてインストバージョンとは違うバージョンに仕立てられています。原曲にも入っていますがキックに808のようなBoomin'な音が足されているところもJeepもののようで格好良いです。
Jungle Brothers/J Beez Comin' Through
これはTracksものやJeepものというよりも「変てこBonus Beatsの名曲」として覚えておいていただきたい溝です。たった1:54秒ですが George MichaelのFather Figureの一番最後で常人では考えつかないようなループを組んでいます。
本当に曲の一番最後です。パッと聴いただけじゃなかなかわからない位のところをサンプリングしてます!
Original Concept/Pump That Bass/Live(Get A Little Stupid...Ho!)
TracksものやAV8が流行し出した時にこのレコードの事を思い出した方も多かったんではないでしょうか?特にRapでは無く煽りやかけ声で曲が構成されていくところは構造的にまったく同じですね。後にYo!MTV Rapsでホストを務めるEd LoverとDr.Dreが在籍していたグループと言うのも納得です。
Cover Girls,The/Wishing On A Star
R&Bのシングルですが"Jeep 12""というバージョンが収録されています。歌はそのまま活かしているのですがシンセベースとサンプルがいくつか足されたバージョンとなっています。これを手がけているのがMasters At Workの2人とTodd Terryというこの後にトラックスものをたくさんリリースする事になるクリエイター達。そこらへんを考えるとこのバージョンはかなりおもしろく聴けるものになりますよ。
ざっと駆け足で紹介しましたがこれらのレコードの他にも こういったトラックスものっぽい雰囲気のバージョンが収録されたレコードはたくさんあります。またAV8等でのDJ KoolやFatman Scoopの活躍を考えるとそれ以前のGo-GoのレコードやMiami Bassのレコードにも聴くべきものが多くあるように思います。
また「キノコプロジェクト」内の「Flavor of the Month」と連動して紹介していきますのでお楽しみに!!
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