3RD BASS/GAS FACEの最後に「Yo stop dissin Dante on records y'all!」というのがありますね。
ここで言われているDANTEとはDANTE ROSSさんのことです。
DANTE ROSSさん
このかたはSD50'SまたはSTUMULATED DUMMIESとしてJOHN GAMBLE、GEEBY DAJANIとともにトラックメイカーとしても大活躍しました。90年代初期から中期のHIP HOPのレコードではクレジットを見かけることも多いです。2000年前後にはSTIMULATED RECORDSというレーベルもやっていましたし。
そしてもう一つ、A&Rといった「業界人」「裏方」としても大活躍しているかたですね。2013年にCOMPLEXがポストした「The 25 Best A&R in Hip-Hop History」という記事にも出てきます(この記事めちゃくちゃおもしろいですよ)。
スケートやハードコアパンクを愛する青年、BEASTIE BOYSやLUCIOUS JACKSONの友人だったこともあって(メッセンジャー、ツアーのロードマネージャーとして)DEF JAM入り(その頃を語ったインタビューがRED BULLのサイトに上がっています!)。その後TOMMY BOYへと移り本格的にA&Rの仕事へ。
DE LA SOUL/3 FEET HIGH AND RISING
まず当てるのがこれですよ!PRODUCTION SUPERVISORのクレジットで名前があります!
このアルバムの後もQUEEN LATIFAHやDIGITAL UNDERGROUNDとサインし様々な形でアーティストをサポートしていたようです。(中でもUPTOWN/DOPE ON PLASTICにクレジットされているのは興味深いですね!)
その後、ELEKTRAへと移ります。
ELEKTRAにおいてはBRAND NUBIAN、GRAND PUBA、PETE ROCK & C.L. SMOOTH、KMD、LEADERS OF THE NEW SCHOOL、DEL THA FUNKY HOMOSAPIENといったアーティストを手がけています。
ここで勘の良い方はお気づきになるかもしれませんが彼の仕事は当時の「NEW SCHOOL HIP HOP」をほぼ網羅してしまうんほどなんですね。明確な定義がある言葉ではないのであまりいい加減なことは書けませんがJUNGLE BROTHERSやDE LA SOULらの「NATIVE TONGUE以降」みたいな線がきっちりある気がします。
その後もSANATANAやEVERLAST(HOUSE OF PAIN)、KORNなどのアルバムに参加しています。この辺はRED BULLの記事にもあるようにCBGB'SもTHE ROXYも出入りしていたという経験があるからこそできるんでしょうね。
去年の時点でもLIL' DICKYやMADE IN TYOの作品にクレジットがあるところも素晴らしいですね。
SD50'S(STIMULATED DUMMIES)名義のトラックメイカーとしての仕事っぷりはこのアルバムが最も分かりやすいですね。2LPであまり数がなく正直言ってかなり高額なアルバムになってしまって申し訳ないのですがお求めやすいCDもありますのでそちらもよろしいかと。すごく良いアルバムですよ。
最近は「SUPER DISCO BREAKIN'」という7インチオンリーでやるイベントもされているようですね。いつもゲストがすごいのと開催場所を明かさないというびっくりな感じで楽しそうです。
インスタグラムを見ていると7インチをたくさん集めていらっしゃるようでSOUL、FUNK、DISCOはもちろんLATIN FREESTYLEやELECTRO HIP HOPなんかもきちっとおさえていてすごいです。
かなりざっくりとした説明になりましたがHIP HOPはDJ、MC、PRODUCERはもちろん裏方のことまで知るとより楽しめますよ!「Read the label」ってことで。
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