レコードを聴くにはそれなりに機材も必要ですね。お客様の中にはすでにターンテーブルやディスコミキサーをお持ちの方は多いかと思います。
当店でもたまに相談を受けることがあるのですがオーディオ機材のメンテナンスについて少しだけ解説します。
1.掃除
レコードから針で拾った振動を増幅させるアンプとしてディスコミキサーやフォノアンプに通しますね。一般的にRCA端子を通して接続することが多いかと思います。この部分は金属の接点がむき出しになっているので結構汚れがつきやすい部分です。
なんか曇ったようになってますね。
こういう部分はよくほこりを取ってから、
「無水エタノール」を綿棒なんかに付けてよく拭き取ってあげてください。薬局に売っています。店頭には並んでいないのですがお店の人に言えば出してくれます。アルコールなんで火には気を付けてくださいね。
無水エタノールは揮発性が高いのでこうした機材のお手入れにはとても良いです。またレコードに付いた汚れを拭き取ったり、鏡面のものを拭くのにも良いです。拭きあとが残らないのでかなりいろんなところに使えます。お掃除用に一本買っておくととても役立ちますよ。
拭いた後(ちょっとわかりにくいですかね?)
拭いた後の綿棒を見るとこれだけ黒く汚れが付くので結構汚れていたんだと思います。
ミキサーの端子部に限らずケーブル側の端子もマメにお手入れしておくと良いと思います。意外に汚れるもんですし汚れたままで放っておくとサビが出たりすることもあります。電流が流れる部分ですので接触不良が起きるのは避けたいところ。音が良くなったりするわけでは無いんですがこの辺をサボらずにキレイにしておくと気分が良いです。なんだか音が良くなった「気」はしますよ。
あと機材は精密機器なのでホコリもマメに掃除しましょうね。たまると意外な悪さすることがよくあるので。
すごい基本的なことですが機材のメンテナンスで一番効果的なのはこれのような気がします。
あと通電をよくするものの一つに「接点復活材」と言うのがあります。
これは目的は同じですし商品によっては良いものもあるんですが、中には含まれている成分が残って変質してしまうものもあるので注意が必要です。時間が経つとネバネバしてホコリを大量につけてしまい通電の妨げになるものがあります。
ただ応急処置に使用するには非常に有効なこともあります。クラブなんかで「片一方のチャンネルの音が出ない!」「ノイズが出る!」なんて時にさっと吹くのは効果的だと思います。綿棒でちまちま掃除なんかしていられないような時には特に。
そういった応急処置に使用するのは良いですが使用したあとは無水エタノールでしっかり拭き取っておきましょう。その場で直ったからといって放置しておくとあまり良いことはないようです。
2.電解コンデンサーの交換
「いきなりそこかい!」と言われてしまいそうですがこれはやはり効果的な気がします。
あまり詳しい説明は避けます。どんな機材にもたくさん使用されているんですがしっかり「寿命」がある部品がこれです。
こんな形した部品です。
機材を開けてやると基盤の上にたくさん並んでいます。
これ。缶みたいな形の中身は液体です。この液体が漏れたり破裂することがあるんです。「なんか煙が出たと思ったら動かなくなった」みたいな不具合はだいたいこれです。長期間使用するとトラブルが起きることが多いです。
例えばステレオで左右のチャンネルの音量(音質)に差が出てしまう。なんて時にはこの電解コンデンサーのヘタり具合の差が影響していたりすることも多いです。長期の使用で本来の性能が発揮できなくなっていたなんてことはよくあります。
これは上部が膨らんで十字に入った切れ込みが完全に開いてしまっています。中の液体ももう入っていません。ここまで来ると性能が落ちているどころかもう機能していません。
こういうのは交換しましょう。
あまり長くなりすぎてもなんなんで続きは「Maintenance - 2」に書きます。適切な交換部品を選ぶ。基盤から外す。つける。とかそんな感じです。
モノによっては機材を「開けた」だけでメーカーの保証を受けれなくなってしまうことがあります。またこれをやったからと言って機材の故障が絶対に直るわけでもありません。素人が弄り過ぎると状況をより悪化させてしまうこともあります。本当に大事な機材はメーカーかその道のプロにお任せしましょう。「新品に買い替えても良いけどもし直ったらラッキーかな?」くらいの気持ちでやるのがちょうど良いと思います。そこらへんはお忘れなく。
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